はじめに ― RPAで何ができるのか?
RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン上の繰り返し作業をソフトウェアロボットが代行する技術です。データ入力、ファイル操作、Webブラウザでの情報収集など、ルールに基づいた定型業務を24時間365日、ミスなく自動で実行します。
「RPAに興味はあるけれど、うちの業務で何が自動化できるかわからない」という声をよく耳にします。実は、RPAで自動化できる業務は非常に幅広く、ほぼすべての部門に適用可能です。
この記事では、経理・人事・営業・カスタマーサポート・物流・IT管理・共通業務の7カテゴリに分け、合計30の具体的な自動化業務をご紹介します。各業務について「何を自動化できるか」「どんなメリットがあるか」を詳しく解説しますので、自社の業務に当てはめながらお読みください。
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料金を見る1. 経理・会計部門(6つの業務)
経理・会計部門は、RPA導入効果が最も高い部門の一つです。定型的なデータ入力や帳票作成が多く、正確性が求められるため、自動化による恩恵が絶大です。
経理・会計部門
6つの自動化業務1-1. 請求書作成・発行
毎月の請求書作成は、顧客データベースから情報を抽出し、テンプレートに反映し、PDFを生成して送付するという一連の工程から成ります。RPAを使えば、基幹システムから売上データを自動取得し、請求書テンプレートへの転記、PDF化、メール送信までを一括で処理できます。月末の請求書発行業務が数時間から数分に短縮され、送付漏れや金額ミスも防止できます。
1-2. 経費精算データ入力
社員から提出される経費精算書の内容を会計システムに手入力するのは、件数が多いほど負担が大きい業務です。RPAなら、経費精算システムからデータを取得し、科目コードの判定、会計ソフトへの転記を自動で行います。入力ミスがゼロになるだけでなく、経理担当者は精算内容の確認や例外処理に集中できるようになります。
1-3. 売掛金・買掛金管理
取引先との入出金を正確に管理する売掛金・買掛金管理は、入金消込や支払期日の確認など、多くの定型作業を含みます。RPAで銀行の入出金データと社内の売掛台帳を自動照合し、消込処理を実行。未回収の売掛金についてはアラートを自動生成することで、入金漏れの早期発見が可能になります。
1-4. 月次決算レポート作成
月次決算では、各システムからのデータ収集、Excelでの集計・加工、レポート作成という手順を毎月繰り返します。RPAにより、会計ソフト・販売管理・経費システムからのデータ抽出を自動化し、決まったフォーマットでレポートを自動生成できます。決算の早期化が実現し、経営判断のスピードが向上します。
1-5. 銀行口座の入出金確認
毎朝のルーティンとして行われる銀行口座の残高・入出金チェック。RPAがインターネットバンキングにログインし、入出金明細を取得、前日との差分を自動レポートします。複数口座がある場合でも一括で確認でき、資金繰り管理の効率化と不正取引の早期発見に貢献します。
1-6. 会計ソフトへのデータ転記
Excelや紙の帳票からの会計ソフトへのデータ転記は、もっとも発生頻度が高い定型業務の一つです。RPAは、CSVやExcelファイルからデータを読み取り、仕訳コードの判定ルールに従って会計ソフトに自動入力します。大量の伝票処理も正確かつ高速に完了し、転記ミスによる決算修正が不要になります。
2. 人事・総務部門(5つの業務)
人事・総務部門では、社員数に比例して増える事務作業が多く、RPAによる効率化の余地が非常に大きい領域です。特に月末・年末に集中する業務の自動化効果は絶大です。
人事・総務部門
5つの自動化業務2-1. 勤怠データ集計
社員の出退勤データの収集・集計は、特に月末の給与計算期間に大きな負担となります。RPAが勤怠管理システムからデータを自動取得し、残業時間・有給取得日数・遅刻早退を集計。異常値(36協定超過の可能性など)を検出した場合は担当者にアラート通知します。手作業での集計に比べ、処理速度は約10倍、計算ミスはゼロになります。
2-2. 給与計算の前処理
給与計算に必要なデータ(勤怠、手当、控除など)を各システムから収集して統合する前処理は、非常に時間がかかる作業です。RPAで勤怠データ、交通費精算、各種手当の情報を自動収集し、給与計算ソフトに投入可能な形式にデータを整形します。給与支払いまでのリードタイムが短縮され、ミスのない正確な処理が実現します。
2-3. 入退社手続き書類作成
新入社員の入社時や退職時には、雇用契約書、秘密保持契約書、退職届、各種届出書類など多数の書類を作成する必要があります。RPAが人事データベースから社員情報を取得し、テンプレートへ自動反映、PDF化して関連部署に配布します。入社手続きの所要時間を1人あたり2時間から15分に短縮可能です。
2-4. 社会保険手続き
入退社時の社会保険・雇用保険の資格取得届・喪失届の作成は、正確性が求められる上に提出期限があります。RPAが社員データから必要情報を抽出し、届出書類を自動作成。電子申請が可能な場合はe-Govへの自動提出まで対応します。届出漏れや期限切れのリスクを大幅に低減できます。
2-5. 採用応募者データ管理
複数の求人媒体から届く応募者情報の一元管理は、採用活動の基盤です。RPAが各求人サイトから応募者データを自動取得し、自社の採用管理システムに統合登録。重複チェックやステータス更新も自動化します。採用担当者は候補者との面談や評価に集中でき、採用活動の質が向上します。
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詳しく見る3. 営業・マーケティング部門(5つの業務)
営業・マーケティング部門の自動化は、直接的な売上向上につながります。データ入力や調査作業から解放されることで、営業活動の質と量の両方を改善できます。
営業・マーケティング部門
5つの自動化業務3-1. 顧客データのCRM入力
名刺交換やWebからの問い合わせで得た顧客情報をCRMに入力する作業は、営業担当者の大きな負担です。RPAがWebフォーム、メール、名刺管理ツールから顧客データを取得し、SalesforceやHubSpotなどのCRMに自動登録します。データの二重入力も自動チェックされ、常にクリーンな顧客データベースを維持できます。
3-2. 見積書・提案書作成
商談のたびに作成する見積書や提案書は、過去の類似案件を参照しながらカスタマイズする必要があります。RPAがCRMの案件情報と商品マスタを基に、テンプレートへ自動反映して見積書を生成。営業担当者は内容の最終確認だけで済み、見積書作成時間を80%削減。迅速な見積提出で商談成約率もアップします。
3-3. 競合価格調査
競合他社の製品価格やキャンペーン情報を定期的に調査するのは、マーケティング戦略の基本です。RPAが競合サイトやECモールの価格情報を自動巡回・収集し、一覧表に整理。前回調査との差分をハイライト表示します。週次の価格調査レポートが手間なく生成でき、迅速な価格戦略の意思決定が可能になります。
3-4. SNS投稿の自動化
複数のSNSアカウントへの定期投稿は、マーケティング担当者の日常業務です。RPAで投稿スケジュールに従い、事前に用意したコンテンツを各SNSプラットフォーム(X、Instagram、Facebookなど)に自動投稿。投稿後のエンゲージメントデータを自動収集し、レポートにまとめることも可能です。
3-5. メール配信リスト管理
メールマーケティングの配信リストは、登録・解除・セグメント更新など常にメンテナンスが必要です。RPAがCRMやWebフォームのデータを基に配信リストを自動更新し、不達アドレスの自動除外、顧客属性に基づくセグメント振り分けを実行します。常に最新のリストでメールマーケティングを展開でき、配信効果が向上します。
4. カスタマーサポート部門(4つの業務)
カスタマーサポート部門では、問い合わせ対応の迅速化と品質均一化が常に課題です。RPAによる自動化で、顧客満足度の向上と対応コスト削減の両方を実現します。
カスタマーサポート部門
4つの自動化業務4-1. 問い合わせ内容の自動分類
メールやフォームで届く問い合わせを、内容に応じて適切なカテゴリに振り分ける作業は、対応スピードに直結します。RPAが問い合わせのキーワードを分析し、「技術的問題」「料金問い合わせ」「解約」「その他」などのカテゴリに自動分類して担当者に振り分けます。分類の一貫性が保たれ、対応の漏れや遅延を防止できます。
4-2. 定型回答の自動送信
よくある質問に対する回答は、定型化できるものが多くあります。RPAが問い合わせ内容を判定し、該当するテンプレート回答を自動で送信。営業時間外でも即座にレスポンスできるため、顧客満足度が大幅に向上します。対応履歴も自動でCRMに記録されるので、追跡管理も万全です。
4-3. 顧客情報の照会・更新
問い合わせ対応中に顧客の契約情報や購入履歴を複数のシステムから確認する作業は、一件あたり数分の時間ロスになります。RPAが電話番号やメールアドレスをキーに、CRM・基幹システム・決済システムから関連情報を自動取得し、一画面に集約表示。オペレーターの対応時間を平均40%短縮できます。
4-4. FAQデータの更新
問い合わせ傾向の変化に合わせてFAQを更新する作業は、後回しになりがちです。RPAが問い合わせログから頻出の質問パターンを抽出し、既存FAQとのギャップを分析。新規追加が必要なQ&Aの候補リストを自動生成します。常に最新のFAQを維持することで、自己解決率が向上し、問い合わせ件数自体が削減されます。
5. 物流・在庫管理部門(4つの業務)
物流・在庫管理部門では、正確性とスピードが求められます。RPAの導入で、在庫の過不足や発注ミスといったヒューマンエラーを根絶し、サプライチェーン全体の効率化が実現します。
物流・在庫管理部門
4つの自動化業務5-1. 在庫数の自動確認・更新
複数の倉庫や販売チャネルの在庫をリアルタイムに把握することは、欠品防止と過剰在庫の抑制に不可欠です。RPAが在庫管理システム、ECプラットフォーム、倉庫管理システム(WMS)の在庫数を定期的に自動照合し、差異があれば即座にアラートを送信。在庫精度が99%以上に向上し、機会損失を最小化できます。
5-2. 発注書の自動作成
在庫が発注点を下回った場合の発注処理は、タイミングの遅れが在庫切れに直結します。RPAが在庫数を監視し、発注点に達した時点で仕入先ごとの発注書を自動作成。承認ワークフローへの投入やメール送信まで一気通貫で処理します。適正在庫の維持と発注コストの最適化を同時に実現します。
5-3. 配送状況の追跡・報告
顧客への配送状況の確認は、注文件数が増えるほど負担が大きくなります。RPAが各配送業者(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など)の追跡サイトから配送ステータスを自動取得し、ダッシュボードに一括表示。配送遅延の検知時には自動でアラートを発信し、プロアクティブな顧客対応を可能にします。
5-4. 倉庫管理システムへのデータ入力
入荷・出荷データの倉庫管理システムへの入力は、量が多く正確性が必要な業務です。RPAが受注データや入荷伝票から必要情報を抽出し、WMSに自動登録します。バーコードやロット番号の入力ミスを排除し、入出庫のリードタイムを短縮。在庫の可視化と正確な物流オペレーションを支援します。
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無料で試す6. IT・システム管理部門(3つの業務)
IT部門では、ルーティンの管理作業が多く、本来注力すべき戦略的な業務に時間を割けないケースが少なくありません。RPAで定型的なIT管理業務を自動化し、チームのリソースを有効活用しましょう。
IT・システム管理部門
3つの自動化業務6-1. サーバー監視レポート作成
サーバーやネットワーク機器の稼働状況を定期的にレポートする業務は、IT部門の基本タスクです。RPAが監視ツール(Zabbix、Datadog等)からデータを自動取得し、CPU使用率・メモリ使用量・ディスク容量などを一覧化。閾値超過があれば担当者にSlack通知を自動送信します。日次・週次レポートの作成工数を完全に排除できます。
6-2. アカウント作成・削除
社員の入退社に伴うアカウント作成・削除は、Active Directory、Google Workspace、各種SaaSなど複数のシステムにまたがる面倒な作業です。RPAが人事システムの入退社データをトリガーに、必要な全システムのアカウントを一括で作成・削除。権限設定の漏れやアカウント削除忘れによるセキュリティリスクを排除します。
6-3. ログデータの収集・分析
各システムのログを収集し、セキュリティインシデントの兆候や異常動作を分析する作業は、専門知識と時間を要します。RPAが複数サーバーからログを定期収集し、事前定義したパターン(不正アクセス試行、エラー頻発など)とのマッチングを自動実行。異常検知時にはアラートを発信し、セキュリティ対応の迅速化に貢献します。
7. その他共通業務(3つの業務)
特定の部門に限らず、あらゆるビジネスシーンで発生する共通の定型業務も、RPAの得意分野です。これらの業務を自動化するだけでも、組織全体の生産性は大きく向上します。
その他共通業務
3つの自動化業務7-1. Excelデータの集計・加工
複数のExcelファイルからデータを統合し、ピボットテーブルやグラフを作成する作業は、多くのビジネスパーソンが日常的に行っています。RPAがフォルダ内のExcelファイルを自動で開き、データを統合・集計・加工してレポートを生成。VLOOKUPやマクロで対応していた複雑な処理も、録画するだけでワークフロー化できます。
7-2. Webスクレイピング
Webサイトから情報を収集する作業は、リサーチ業務の基本です。RPAがWebサイトを自動巡回し、必要な情報(求人情報、不動産物件、商品価格、ニュース記事など)を構造化データとして抽出。Excelやデータベースに自動保存します。手作業では不可能な量のデータ収集を、高速かつ正確に実現します。
7-3. ファイルの整理・バックアップ
日々蓄積されるファイルの整理やバックアップは、後回しにされがちですが重要な業務です。RPAがファイル名のルールに従って自動分類・リネームし、指定フォルダへの移動やクラウドストレージへのバックアップを定期実行。古いファイルのアーカイブやストレージ容量の監視も自動化でき、データ管理のガバナンスが向上します。
まとめ ― 自動化の第一歩を踏み出そう
この記事では、RPAで自動化できる30の業務を部門別にご紹介しました。改めて一覧にすると、次のとおりです。
- 経理・会計部門:請求書作成、経費精算入力、売掛買掛管理、月次決算、入出金確認、データ転記(6業務)
- 人事・総務部門:勤怠集計、給与前処理、入退社書類、社会保険、採用管理(5業務)
- 営業・マーケティング部門:CRM入力、見積書作成、競合調査、SNS投稿、メール配信リスト(5業務)
- カスタマーサポート部門:問い合わせ分類、定型回答、顧客照会、FAQ更新(4業務)
- 物流・在庫管理部門:在庫確認、発注書作成、配送追跡、WMSデータ入力(4業務)
- IT・システム管理部門:サーバー監視、アカウント管理、ログ分析(3業務)
- 共通業務:Excel集計、Webスクレイピング、ファイル整理(3業務)
ポイントは、まず1つの業務から始めることです。最も時間がかかっている定型業務、もしくは最もミスが多い業務から自動化を始めれば、RPAの効果を実感しやすく、社内への展開もスムーズに進みます。
また、RPA導入においてよくある課題が「メンテナンスの手間」です。せっかく自動化しても、システムのUI変更で止まってしまっては意味がありません。ロボカのAI自己修復機能なら、UI変更を検知して自動で修正するため、一度作ったワークフローが止まることなく動き続けます。